これまでの医療は、治癒させることに専念するあまり治療できない場合の対応がほとんど考えられていませんでした。 治療できなければ延命策を講ずるという図式が連綿と続けられていました。 「検査―診断―治療―延命」という4つの働きが近代病院の目的と考えられてきたからです。
しかし、たとえば、症状の進行した癌患者さんの何割かが直面する激しい痛みや息苦しさ、 変化する症状への不安に対しては、この4つの流れの中で対応するには限界があります。 このような状況下におかれた患者さんの痛みと不安を何とか和らげてあげたい・・・・。 それがホスピスの誕生した時の願いでした。
緩和ケア病棟『花音』では、患者さんがどのような状態にあるのかということを ホスピスケアに携わるスタッフ全員が理解し共有することを大切にします。
患者さんの肉体的な痛みの緩和、精神的な不安の緩和、 そして患者さんと痛みを分かち合っているご家族の援助も行っています。 患者さん・ご家族と話し合いながら、 限られた時間のなかで患者さんが一番その人らしく振る舞えるように チームが一丸となって考え支えます。