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高次脳機能障害

高次脳機能障害とは

 人間は物事に注意を向けて、感覚として認識したり、以前の記憶と照らし合わせて、 どう行動したらよいのか判断、計画、実行したりできます。 また、他の人とのコミュニケーションをとりながら新たに記憶、学習していきます。 これらの、人間的な機能が何らかの脳障害によりうまく行動、生活できなくなった状態です。

障害が起こる原因

  • 交通事故や転落事故などによる外傷性脳損傷
  • 脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)の脳血管障害
  • 一酸化中毒などの低酸素脳症

主な症状

失語症

 失語症にはいろいろなタイプがあります。話す、聞く、読む、書く、 計算するなどの言語を介した能力に制限が生じやすくなります。 日常会話では問題ない程度でも、複雑な言い回しや、情報が多くなると 意味を捉えられない人もいます。

注意障害

 注意障害とは、特定の物や課題に注意を集中し続けることが難しくなることです。 また、作業を行いながら他のことに気を配ることや、作業の途中ですぐに他の作業に 切り替えができないことなども注意障害の一つです。

記憶障害

 脳卒中や脳外傷などにより生じる記憶障害の場合には、 以前の知識などの記憶は保たれていても、新しいことを覚えることや、 忘れないようにすることが苦手になりがちです。

情動障害

 高次脳機能障害には、過度にものごとにこだわってしまう、思考が堂々巡りになる (固執)、場面に即した態度や気持ちの表現が不適切、相手の気持ちや考えを 推察することが苦手、イライラしやすい、落ち込みやすい、怒りっぽい (感情コントロール力の低下)などの情動面の障害も含まれます。

遂行機能障害

 遂行機能障害とは、仕事などの計画を立てることや、優先順位を決めること、 目的に向けて効率的な手順で作業を行うこと、臨機応変な対応が難しくなるなどの障害です。 遂行機能は仕事上のいろいろな場面で必要となる能力ですが、周囲の人からは分かりにくい障害です。

家庭や職場での問題

 麻痺がなければ、見かけ上は正常な人と全く同じように見えますので、 周りの人の理解がなかなか得られません。

 症状により患者本人の病識低下、家族のとまどい、職場でのとまどい、 無計画な行動でのトラブル、感情のぶつかり合いが生じ、信頼を失って、孤立。 失職、退学してしまうことがあります。

リハビリ

 頭部MRI検査や脳血流シンチ、各種の神経心理学的検査を行って、 まずどのような症状が認められるか判断をします。その後、本人のリハビリ (医学的訓練、生活訓練、職能訓練など)、代替手段を獲得する (適応能力を改善させる)、家族支援、本人へのカウンセリング、復学、 復職調整などを考えます。

 これらについては今後は、医療、福祉、教育、労働の関係者が連携して 対応していく必要があります。